ドルーズ派の死生観~生と死は表裏一体~

アッサラームアレイコム
ドルーズ派シリーズ、今回の話題は

ドルーズ派の死生観

についてです。

(以前の記事はこちら!
 →「ドルーズ派~クルアーンを棄てた少数派~
 → 「ハーキムは神である?ドルーズ派がクルアーンから去った訳

ドルーズ派にはイスラームとしてはかなり独特な死生観があります。

それが...

輪廻転生


以前ご紹介した「アラウィー派」と同じですね。

ただし、アラウィー派は

人間の所業によって他の生き物に生まれ変わる

とされるのに対し、ドルーズ派では

人間は人間にしか生まれ変わらない
 
そして、彼らの教義では

ドルーズ派信徒はドルーズ派信徒にしか生まれ変わらない

とされています。

生と死は一体

ところで、

彼らは信徒の家に新しく赤ちゃんが産まれると
このように言います。

「向こうの悲しんでいる人をお助け下さい」


これは先ほどの輪廻転生と関係があり、
人が誕生するとき別の場所では誰かが死ぬ。

つまり

「死」があるからこそ新たな「誕生」がある、

生と死は表裏一体であるという考えなんですね。
 
だからドルーズ派信徒にとっては

新たに信徒(赤ん坊)が産まれる、
ということは
同時に他の誰かにとっては家族が死ぬ。
ということ。

つまり、

誕生の喜びの陰には人の死に悲しむ人がいる。

だから上記のような言葉が述べられるのです。


命の誕生は誰かの死、であり
死により新たな生があり、命が繋がっていく...

なんだかスピリチュアルな印象を覚える世界観ですが。

見方によってはこの死生観は

誰かを亡くしても、その魂はまた新たな命として
この世に生まれ、生きていく。
別の場所で生きている。

と、家族を失った人の心を慰めるものでもあるのかも知れませんね。

それでは今回はこの辺で。
マァサッラーマ~

  

No comments:

Powered by Blogger.