食べたのに「食べていない」?~認知症あるある「過食」~

こんにちは、Sawaです。
今日は認知症でよく見られる症状についての対応法です。
今回は「過食」について。


どんな症状?
夕食後、後片付けをしているとおじいさんがひょっこり台所に現れました。

そして一言。「ご飯まだか?」

 おじいさんはついさっきあなたと家族と一緒に夕食を食べたばかりです。
 そしてお腹が空いたから何か食事を用意してくれとあなたに言います。

----------
またある時は、昼食の後おじいさんが散歩に行ってお饅頭を買ってくるのを見ました。
おじいさんはその後お饅頭をおやつに食べましたが、その後にまた何かを買ってきて食べています。
そして「お腹が空いた」と言います。

それ以外でも、いつも何かしら食べていたり食事の後でもお腹が空いたと訴えたりします。


なぜ何度も食べたがる?
 上記の行動は初期から中度の頃によく見られ、記憶障害(「夕食を食べたこと」を忘れる)と脳の機能障害により満腹中枢がうまく機能しない(食べてもお腹が膨れたように感じない) ことにより起こります。
 繰り返しですが、認知症の方の物忘れというのはその一連の出来事が記憶から丸ごと、ごっそり抜け落ちる、というところに特徴があります。
 つまり、先ほどのおじいさんは「夕食を食べたこと」それ自体が記憶に残っていないのでおじいさんの中では”夕食を食べていない”のと同じなんですね。
 そして認知症では脳の機能が侵されますから、いくら食べても「お腹がいっぱいになったよ~」という指令がきちんとなされずに”本人はいつも空腹”を感じる状態に陥ります。

 その為、食べても食べても「お腹が空いた」とか「ご飯出して」とか「まだ食べていない」といった訴えや過食につながるですが...

どう対応したら良い?
 食事を摂った直後なのに「まだ食べていない」「ご飯用意して」と言われたらどうしたら良いでしょう?本人は食べたこと自体を覚えていないので「もう食べましたよ」と言ったところで「何、言っているんだ!」ということになります。ひどいと怒りだしてますます固執しますのでその場合はひとまず受け入れましょう。

  対応法の例として...
・今用意しているので待っていて下さいね~とおやつなどを食べてもらう。
・用意出来るようであれば「○○でも良いですか」と小さいおにぎりなど軽食を食べてもらう
・一回の食事量を予め少なめにしておいて、訴えがあればその分を出す(一日分の食事を小分けにして食べてもらう)

 この過食の症状自体はずっと続くものではありません。また、高齢の方は病気や障害があると低栄養になりやすいので多少多く食べても大丈夫です。ですので食事制限などがないようであれば余分に食べてもらっても心配はありません。

それでも食べ続ける場合は?
 ただ、もともとの食事量が十分で食べすぎが心配な場合や糖尿病などの持病がある場合は、低カロリー食や低GI食品などを用意して、そういうものを少量ずつ食べてもらうと良いでしょう。
 勝手に冷蔵庫などの食べ物を漁る、といった行動が出る場合は食べ物を手の届く場所に置かない、鍵をつける(冷蔵庫につけられる鍵がインターネットなどで買えます)など環境を整えると良いです。

 それでは今日はこの辺で。

No comments:

Powered by Blogger.