イスラームにおける男女平等の視点から見る、女性の権利について


アッサラームアレイクム!

今日はイスラームにおける女性の地位と権利についてのお話しです

イスラームで女性、というと...

人権がないとか、所有物扱い、二等市民… 

みたいな虐げられたイメージが強いのではないと思います。

そして残念ながら現在イスラーム世界ではかなりの地域で
女性達が大変な目に遭っているのも事実なのですが…

ここでは実際のところイスラームでは「宗教」としては
女性はどのような扱いになっているのか、をみていこうと思います。






イスラーム以前の女性

 まずはイスラーム以前の女性について。
イスラーム以前、アラビアでの女性の処遇は大変なものだったようです。
 

まずは誕生の時点で…
 

女の子の赤ちゃんは生き埋めにされました...(;゜0゜) 

しかも父親は我が子が女児だと知ると沈み込み、人目を避けた、と。
 

 いや~おぞましいですね…。
生まれた途端父親に生き埋めにされるとは…
これはいわゆる「間引き」なのですが、
かの時代は女児よりも男児の方が尊ばれました。
またそこに貧困などあるとますます価値が低い(とされていた)女児が
口減らしで生き埋められていたようです。

 幸いにも殺されずに済んでも女子は稼がず、戦いにさらされている
部族社会においては戦力にならずで不面目な存在であり…
そして無事に大人になり、仮に結婚したとしても…
 

 妻には一切の権利がありません。
 

財産は持てない。
仕事にも就けない。

 全ての権限は夫が持ちナイナイ尽くしです。
しかも夫が「お前の背中は母親の背中に等しい」と宣言すれば、
 
夫は一方的に義務を放棄でき・・・。 
かと言って離縁されるわけではないので、家を出ることも再婚も出来ない。
もはや完全な飼い殺し状態ですね。

 結婚に際しても女性の意思は無関係。

戦利品としてさらわれでもしたらそのさらった男が夫、
さらわれなくても娘は父親の所有物なのでどこの男にやろうが親の自由なわけで… 

 もはや「人」として扱われていない!!!
 


 これがイスラーム以前の女性の様子です...。

イスラーム誕生後

 それではイスラーム誕生後、女性を取り巻く環境はどのように変化したのでしょうか。

女児殺し

クルアーンやハディース(預言者の言行録)から明確に禁じられたことが解ります。


 “生き埋められていた(女児が)どんな罪で殺されたかと問われる時。”(クルアーン81:8-9節)
“かれらの1人に、女(児の出生)が知らされると、その顔は終日暗く、悲しみに沈む。かれが知らされたものが悪いために、(恥じて)人目を避ける。不面目を忍んでそれをかかえているか、それとも土の中にそれを埋めるか(を思い惑う)。ああ、かれらの判断こそ災いである。”(クルアーン16:58-59)
“確かにアッラーは、あなた方が母親に対し不従順であること、そして感謝しないこと、または女児を生き埋めにすることを禁じられたのである・・・” (ブハーリー1407番、ムスリム593番)



 また、このようなハディースも残っており…


「誰であれ、二人の少女を思春期に達するまで養育する者は、私と共にこのようにして復活の日を迎えるだろう。」そう言ってアッラーの使徒は、ご自身の二本の指を合わせてその様子を表現されました。 "(ムスリム 2631番)
 

“誰であれ、娘たちの世話に関して試みられる者は、それが地獄の炎からの覆いとなるのだ。” (ブハーリー1352番、ムスリム 2629番)
 

『女児を嫌ってはならない。なぜならば、彼女達は、本当に価値のある幸福の基なのです。
 

『贈り物をするときは、子供達の間を公平に扱いなさい。そしてもし一人の子供をより気に入るのであれば、女児をより気に入るようにしなさい。』


これら以外にも

女児への扱い方を男児同様に良くするように、女児に善く接するように言及する文言が沢山残されています。



結婚


 イスラーム圏の国々では親の見繕った相手と結婚する

お見合い婚が多いですが、
花嫁になる女性は結婚の申し込みを断ることも出来るし、

受け入れて婚姻の契約を結ぶ際にはマハル(婚資金)の額の指定、

その他諸々の条件などを挙げることも出来ます。


 勿論、伝統的に結婚は親が決めた人、で拒めないこともあるでしょうが。

イスラームでは結婚には女性の合意が必須であり、

女性にも自由が与えられています。


離婚についても様々なルールが設けられ、夫から一方的に離縁されたり、

ひどい扱いを受けたりすることはないですし、

扶養義務を果たさない、性的に不能であるといった理由があれば、

妻の方から離婚を要求することも可能です。





財産

イスラームでは女性の財産は彼女のみの固有の財産になります。

女性の財産は彼女だけのものあり、なんぴとたりともそれに触れることは許されません。

それをどのように扱うかは、彼女の自由。

遺産相続も以前は相続出来ないどころか女性自身が相続物としての扱いでした。

ですが、イスラーム以後は女性が財産として相続されることもなく、

女性自身も相続が出来るようになっています。





帰依する男女

 クルアーンでは男女について以下のように記載があります。


「帰依する男女、信ずる男女、従順な男女、誠実な男女、
忍耐する男女、謙虚な男女、喜捨する男女、断食する男女、貞節を守る男女、常に神を念ずる男女、神はこれらに対して、必ずお赦しと偉大な報酬を準備したもう」(クルアーン33:35)
 


 ひたすら◯◯な男女、と続いていますね。
そしてこれらの男女に対し

アッラーは赦しと報酬を準備す

と。

イスラームでは男女とも等しく義務が課せられ、同じように罰せられ、
また報酬が与えられます。





男女は同等

 “人びとよ,あなたがたの主を畏れなさい。かれはひとつの魂からあなたがたを創り,またその魂から配偶者を創り,両人から,無数の男と女を増やし広められた方であられる。”(クルアーン4:1)
 
 “主はかれら(の祈り)を聞き入れられ,(仰せられた)。「
本当にわれは,あなたがたの誰の働いた働きもむだにしないであろう。男でも女でも,あなたがたは互いに同士である。」”(クルアーン3:195)


 
 

男女は同じ魂から生まれ、お互いに助け合う存在です。
女性は男性から創られたわけでも、男性の従属物でもないのです。

 

…如何でしたか?

 このようにイスラームは女性に様々な権利を与え、女性は守られています。
今回は簡単にでしたが、これからも少しずつイスラームの女性について
色々な角度から掘り下げてお話ししていけたらと思います。
 

それでは、また。マァサラーマ!



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