一夫多妻がもたらすもの・メリット編

アッサラームアレイクム
さて今まで、イスラームにおける一夫多妻制の実際と
預言者の例をもとに話しを進めてきました。

今回は視点を変えてそのメリットとデメリットについてです。

一夫多妻のメリット

まずはメリットについて。
一夫多妻制には私達にどのような恩恵があるのでしょうか？

未亡人と孤児の救済

一番のメリットはこれですね。一夫多妻制度の原型です。
今の日本のような平和な環境ではなかなかピンとはこないですが、

戦争などがあると何が起こるか？というと

男性が沢山戦死して、必然的に女性が余る

そして

夫に先立たれてしまう女性が続出

このような時に

経済的に余裕のある男性が複数の妻をもてるシステムがあると
夫に先立たれて収入のない女性が

身売りをせざるをえなくなったり

馬車馬のように働いて身体を壊したり、

野たれ死んだりする心配がなくなります。

また、相手がいない（男性の数が足りない）為 に
女性が結婚出来ない、という事態も防げます。

子を産めなくても離縁の心配がない

例えば、日本でも昔なら家柄によっては

子供が産めないと跡継ぎがいなくなるので

不妊を理由に女性が離縁されたり

あるいは
 
立場がなくなったり、

妾に子供を産ませて養子にする、

ということがありました。

一夫一妻制ですと妻に子供が産めないなら

諦めるか、

離婚して他の女性と結婚するか、

最悪不倫でもして外に子供を産ませるより

他はないですから、

多妻で跡継ぎが保証されるなら（子を産めない肩身の狭さはあっても）
少なくとも身分は保証されますから、ただ「産めない」ということで
離縁される心配はなくなります。
（といっても今はそうそう離縁はないと思いますが）

子育てなどを妻同士で協力し合える

これは妻同士の仲にもよるかも知れませんが。
家事にしても育児にしても全部一人でこなそうと思うと

結構な重労働

病気の時も代わりが居ないのでとても大変ですよね。

ですが、妻が複数だとそれぞれで家事を分担したり、
皆で子育てをしたりと諸々の負担を減らせますし、
万が一妻が病気や事故で亡くなっても
夫が子供を男手一つで・・・ということは防げる。
そういった一面ではメリットもあると言えます。

性風俗に行かなくても済む

妻が一人だと、妊娠や病気などで夫婦の営みが出来ない場合、
夫は何がしかの方法で性欲を処理する必要があります。
これが一人でエロビでも観て適当に処理してくれる、とか
妻を思って我慢してくれる、とかなら良いのですが。

時々こんな話しを聞きませんか？

妊娠中に夫がソープに出入りしていた！
夫が浮気して他の女とやっていた！

例えば、妊娠中でそれまでのように夫婦生活を出来ないのに
その間に夫が浮気をしたり風俗に行っていたりしていたら嫌ですよね？
一夫多妻ですと、合法の範囲内でその処理が出来るので
少なくとも外でそのような行為がなされる、ということはなくなるわけです。

まあ、それでも夫が他の妻とイチャイチャして事に及んでいる、
というのもなんか嫌ですが・・・

不倫、婚外子の防止

一夫多妻ですとそれぞれの妻の間で子供を設けること も出来ますし、
全員に平等に遺産も分配されます。
ですが、これが一夫一妻になると、 

よそで女を作るのは必然的に不倫、

子供も非嫡出子、認知してもらえなければ私生児

となるので社会的にも子供にとっても不利益を被ることになります。

この点からも、違法な性関係や子供の不利益、社会的混乱を防ぐ意味でも
一夫多妻制は一役買っていると言えます。

また、
イスラーム以前の一夫多妻は

制限がなく、何人でも娶り放題、
ルールもなくやりたい放題

でした。

ですので、クルアーンによって

人数が制限され、
ルールが設けられたのは革新的と言えます。

また、正妻と側室といった風に妻の間の序列もないので
全ての妻が対等な立場になれます。

それでもSawaは多妻ってなんか嫌なんですけどね・・・。
ですが、このように一夫多妻制度はまずは

女性の救済

を目的としたものであり、きちんと女性が守られる
制度でもあることが分かります。

それでは、また次回。
次回はデメリット編です。