○○を食べちゃう!?~認知症あるある「異食」~

 こんにちは。
 今週も引き続き「認知症あるある」、今回は「異食」についてです。



「異食」って何?
 「異食」とは、食べ物ではないものを口に入れたり食べてしまったりすることを言います。これは周辺症状と呼ばれる症状の一つで、必ずしも現れるものではないのですが、認知症が進むと(中度から重度)このような行動が出てくる場合があります。
 例えば洗剤や薬品を飲んでしまったり、薬の包装やボタン、電池などを食べてしまう、便やオムツなどの汚物を口に入れてしまうといったものが「異食」にあたります。

 実は私も朝行ったら口の中が・・・っ!!!( ̄□ ̄;)という経験が何度かあり、汚物関係は結構な精神的ダメージなんですが...(本人は普通に「これ食べ」と差し出してきたり・・・)
この異食は内容によっては窒息や中毒など命にかかる場合もあるので非常に注意が必要です。


なぜ起こる?
 一つに判断力の低下味覚の鈍化が挙げられます。脳の機能低下で判断力が落ちることで、食べ物とそうでないものの区別がつかずに口に入れてしまい、味覚が落ちていることで口に入れてもそれが食べ物でないと認識出来ないことで異食に繋がります。
 次に不安やストレスも異食の原因になります。私達でもストレスが溜まると食べる人っていませんか?これが認知症で脳の機能が落ちている状態で起こると、それが食べ物かどうかの判断が出来ずにそのままその辺にあるものを口に入れてしまう、食べてしまうという行動になるんですね。
 また、単純に空腹感で目についたものを食べてしまう場合もあります。


もし異物を飲み込んでしまったら?
 吐き出せるもののは吐かせる、命にかかわるものはすぐに病院に連れて行くなど、一般的な誤飲の対応で大丈夫です。
 洗剤などは大体パッケージに吐かせるor水を飲ませる→受診など対処法が出ていますのでそれに従って応急処置をして下さい。
 ティッシュなど毒性のないものは喉に詰まっていなければそのまま様子観でも構いません。小銭や電池、クリップなども(喉に詰まっていなければ)吐かせずにすぐに受診をします。(タバコはすぐに吐かせて受診して下さい。)
 薬を分量以上に飲んでしまった等はすぐに主治医に連絡し判断を仰いでください。
 どのような場合でも出来る限り「何を」「どれだけ食べた(飲んだ)」か伝えられるようにして下さいね。

対応法
 まずは洗剤や刃物、煙草、電池etc...誤飲すると危険なものは目につかない場所、手の届かない場所にしまいましょう。薬はあらかじめ包装シートから出して渡す、その都度一回分ずつ渡すなどしましょう。

 次に異食を発見しても怒ってはいけません。怒ったり大声をあげたりするとびっくりして口の中を確認させてもらえなくなったり、新たなストレスや不安、混乱の原因になったりします。
 落ち着いて「口の中を見せてもらって良いですか?」「口の中のものを出してもらって良いですか?」といった声掛けをしましょう。 「歯磨きをしましょう」「うがいをしましょう」と声をかけて誘導しても良いし、「こっちの方が美味しいですよ」と別に何か食べ物を出して口の中の物を出してもらうようにしても良いです。
 それでも出してもらえない場合は仕方ないので、ごめんね~ちょっと口の中見せてね~と下手に出つつも力技で(こちらで口の中のものを掻き出す)しかないのですが、この場合は当然抵抗もされるので指などを噛まれないように注意をして下さい。
 
 また、異食には環境整備や声かけなどの対処法だけでなく、その人の不満やストレス、不安の原因を取り除いていくこと必要です
 認知症の有無に限らず高齢者の方は加齢と共に様々なものを失い、喪失感や不安を抱いています。ですので、昔からの習慣で出来ることは続けてもらう、何か他に興味を持てるものを作るなどして、”自分が必要とされている”と感じられるような環境を作ることが大切です。
 そして例え会話が出来なくてもコミュニケーションを沢山取ってください。言葉でのコミュニケーションが難しくてもスキンシップで想いは伝わります。

 異食は100パーセントはなくすことは出来ませんが、対応法を知れば慌てずにすみます。認知症の異常行動には必ず背景、原因がありますので少しずつお話しをしていけたらと思います。

 それでは今日はこの辺で。


No comments:

Powered by Blogger.