イスラームを彩る偉大な女性~信徒の母・アーイシャ~

アッサラームアレイクム


 今週も先月の「最も優れた四人の女性」シリーズに続き、偉大な女性についてです。

 イスラームで「偉大な女性」といえば誰か?




( https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Aisha.png )






まず外せないのは信徒の母・アーイシャかと思います。

☆アーイシャとは?


 アーイシャは初代正統カリフのアブー・バクルの娘で預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の最愛の妻として知られている方ですね。

彼女は623年(ヒジュラ歴2年)、

未亡人のサウダ・ビント・ザムアと共に3番目の妻として預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)と結婚されました。

 シーア派ではアリー家とのいざこざで猛烈に嫌われている彼女なんですが...

アーイシャもまた幼少時に父や姉と共にイスラーム初期に入信した敬虔なムスリマでもあり、

預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の傍で長く共に暮らした彼女は数百の真正のハディースを伝えたことでも知られています。


 彼女はクルアーンの写本を所持していた妻の一人であり、

その幅広い知識から後世においては沢山の人々が彼女の元へ知識を求めて集いました。

その為、アーイシャはイスラーム初期においての法学者としても知られています。

アーイシャは幼いころから利発で記憶力の優れた女性でした。

 アブー・ムーサは言った。「もし我々、神の使者の同胞の間に難しい問題が生じたとき、我々はそれについてアーイシャに尋ねました。」

 そして、アーイシャは結婚当時は幼く、預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の家に移り住んだ頃もまだ人形遊びをしていたと伝えられています。

その暮らしは質素を極めたにも関わらず、まだ若い彼女は忍耐強く過ごしました。

アーイシャは先ほども触れた通り、預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の従弟であり、

四代正統カリフのアリーとのトラブルが元でそれ以来、彼らの間には溝がありました。


ムハンマドの妻であるアーイシャは言った。「私の甥よ、2ヶ月間でもう3回目の新月を見たというのに、その間一度も預言者の家では(食事の準備をするための)火が焚かれていません。」彼女の甥は尋ねた。「叔母さん、それでは何を食べていたのですか。」彼女は答えた。「2つの 黒いもの、つまりナツメヤシと水です。ただ、預言者には雌の搾乳用ラクダを持っているアンサールの隣人がいて、彼がそのミルクを預言者に届けてくれていました。」”(サヒーフ・ムスリム、サヒーフ・ブハーリー)


☆ラクダの戦いとは・・・?

預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の死後に起こった「ラクダの戦い(656年)」、

これは3代目正統カリフ・ウスマーンと同じウマイヤ家出身のムアーウィヤによる軍と、
アーイシャ、そしてアリー軍との対立になります。

その際アーイシャは3万の兵を動員し、ムアーウィヤ軍に加わったとされています。

 この「ラクダの戦い」は数万のムスリムの死者を出し、イスラム史上最悪の戦いとも言われているのですが...


それだけの数の兵を動員したことからも(戦争参加への是非はともかくして)

アーイシャはリーダーシップや統率力にも優れた女性であったことが伺えます。

 彼女はラクダ戦いで敗戦しますが、

40人の従者と共に丁重にマディーナに送り返された後は、人々にハディースとその知識を人々に伝え続け、彼女の元では沢山の伝承家が育ちました。

また、彼女は大変寛大で大金が送られてもひと月も経たないうちにそれを貧者に分け与え、

自分の侍女に肉を買うお金があるかどうかまでをも気にかけていた、孤児を引き取って手元で育てながら教育を施していた、とも伝えられています。


☆アーイシャの人格

 アーイシャは預言者(彼と彼の家族に平安あれ)と長く暮らしていたものの子供に恵まれず、
その為、甥たちを我が子のように可愛がり、姉の死後も面倒をよく見ていました。

その為、甥の名前を取り「ウンム・アブドッラー」とも呼ばれるほどだったそうです。
実際、甥のアブドッラーはアーイシャを「最高の母親だった」とも伝えています。

このように、アーイシャは何かと物議を醸し出しつつも、
同時に宗教の実践や知識の習得においては私たちのモデルになる方だと言えます。  
 
*実際、アーイシャとシーアの関係はあくまで彼女とアリー家との関係、
彼女の彼らに対する態度に由来するものであり、

それと彼女のムスリマとして、一人の女性としての美点や長所は別個に考えた方が良いでしょう。

因みにイスラームでは善意を持って人を見ること、
良い点や優れた点は称賛することが強く奨められています。

私達もどんな時でも他の人の良い部分を見て学ぶ姿勢を忘れずにいたいですね^^

それではまた次回!!

マァサラーマ~




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