カルバラーの女傑~ハズラテ・ザイナブ~

 (Sayyidah Zaynab Mosque in Syria:Wikipedia)

アッサラーム アレイコム
イスラームの偉大な女性シリーズ、今日は”ハズラテ・ザイナブ”です。

 ザイナブとはアリーとファーティマの娘でイマーム・ハサンとフサインの妹にあたる方です。先週のアーシュラーの記事でも出てきましたね。
 彼女については,、実は残念ながらまとまった史料は残っていないようで...正確なことはなかなか知りえないのですが、 ザイナブはその勇敢さと忍耐強さ、そして優れた知性からイスラーム初期の最も重要な女性の一人として、そしてアハルル・バイトの一員としてスンニ、シーア両者を問わず大変な尊敬を受けています。
 
~カルバラーの悲劇とその後~
 ザイナブ、といえば外してはならないのがカルバラーのお話しです。彼女はアーシュラーの記事でもお話しした通り、カルバラーの戦いにつき従い、甥のアリー・イブン・フサイン(イマーム・ザイヌル・アービディーン)と共に生き残りヤズィドの捕虜となりました。その後、彼女はダマスカスへ連行され、しばらくヤズィドの元で過ごした後、解放されマディーナに帰還したと伝えられています。彼女はダマスカスへの道中で、クーファで兄フサインを見殺しにしたクーファ市民を非難し、ダマスカスでも兄を殺したヤズィドに臆することなく痛烈な非難をし、ムスリム達に彼の悪行を知らしめました。
  また、彼女はカルバラーの戦いで甥のアリーを身を呈して守ったとも伝えられており、ザイナブはその勇敢さを讃えられています。

 ~お墓が二つ?サイイダ・ザイナブ廟~
  ハズラテ・ザイナブは先にお話しした通り、スンニ・シーア両者で尊敬されています。そして、今でもそのお墓には沢山の人々が巡礼に訪れているのですが...実はこの方、お墓が二か所あるんですね。
  というのはザイナブのマディーナ帰還後の生涯については史料が存在しない為、その後については諸説があるんですね。そのうちの一つが彼女は帰還後にまたシリアのダマスカスに戻り、そこで亡くなり埋葬された、という説とエジプトのカイロでに渡ったというもので、結果シリアとエジプトの二か所にザイナブの墓所とされ、併設されたモスクが残っているのです。
(因みに...イマーム・フサインのモスクもカルバラーとエジプト、そしてシリアにあるそうです。イマーム・フサインの首は点検の後、カルバラーに送り返されそこで遺体と共に埋葬された、とされているのですが、別の説では首はそのままシリアで現在のウマイヤド・モスクに埋葬された、首だけエジプトに送られ埋葬されたとも伝えられており、カイロ市内にフサインの首が祀られたモスク、というのがあります。)

 
(Sayyidah Zaynab Mosque in Cairo:Wikipedia)


 皆さんもエジプトに行かれる機会があれば是非訪ねてみて下さいね。
 それではまた次回。マァッサラーマ~

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