最も優れた女性2~信ずる女性たちの長・ファーティマ~

(shiawallpapers.pk)

アッサラームアレイクム
 イスラームの「偉大な女性」シリーズ、今日は「最も優れた四人の女性」からファーティマ・アッザハラー(AS)のお話しです。



 ファーティマ(AS)は言わずと知れた預言者ムハンマド(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の四女、そして4代正統カリフ(シーア派初代イマーム)アリー(AS)の妻でありイマーム・ハサンとフセイン(彼らに平安あれ)の母ですね。
 彼女はアハルル・バイトの一人で「天国の女性の長」「全女性の指導者」「信ずる女性たちの長」などと呼ばれており、妻、母、そして女性として全ての女性の模範となる方として知られています。

神の使徒(SA)は言った。
「あなたは満足しないのか。あなたに与えられた夫がムスリムの中で最初にイスラームに帰依した人であり、最も学識を持った人であることを。
あなたはマルヤムがそうであったように、我がウンマの全女性の長であることを。
おお、ファーティマよ!あなたは満足しないのか。至大至高のアッラーが地上の住人を一瞥し、その中から二人を御選びになった。一人をあなたの父、もう一人をあなたの夫に」(ムスナード)

 預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)はファーティマ(AS)を大変、愛しておられ彼女のことを自分の一部、分身とまで表現していました。

ミスワル・ビン・マフラマはアッラーの使徒の言葉として次のように伝えている 。
ファーティマは私の一部である。彼女を傷付けることは私を傷付けることである。(ムスリム)

(その他にも預言者ー彼と彼の家族に平安と祝福あれーは「ファーティマが怒るときは栄光のアッラーもお怒りになる」とおっしゃることもあり、「ファーティマを喜ばすものは私を喜ばせる」「ファーティマを害するものは私を害する」「ファーティマを怒らせるものは私を怒らせる」といったハディースがブハーリ―やティルミディーなど様々なハディース集に残されています。)

 ファーティマ(AS)はイスラームの創教(クルアーンの啓示)5年ほど前に生まれたと伝えられており、幼い頃から父ムハンマド(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)とアッラーの道を共にしてきました。
(※シーア派ではファーティマは一人娘でクルアーンが啓示されてから生まれたとされていますが、史実的には啓示の5年ほど前というので概ね一致しているようです。
また、姉達についても婿や他の孫娘の伝承や歴史書の記述もあり、これについてはスンニーの記録の方がより正確といえます。)
 ファーティマ(AS)は母ハディージャ(RA)の亡き後はずっと預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の身の回りの世話をし「父親のお母さん(ウンム・アビーハ)」と呼ばれていたそうです。そして彼女の容姿、性格と立ち振る舞いは父・預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)にそっくりだったと伝えられています。
 
アーイシャは次のように伝えている 
預言者の妻達が(彼の最後の病気のときに)彼のもとに(集って)いたが彼女達の誰もその場を離れようとしなかった。
そこヘファーティマが歩いてやって来た。
そして彼女の歩く姿はアッラーの使徒が歩く姿と全く変わらなかった
そして彼が彼女を見たとき彼は彼女を歓迎して「良く来た、我が娘よ」と言った。
それから彼は彼女を彼の右側もしくは左側に座らせた。
そして彼は彼女に秘かに何事かささやいた。すると彼女は激しく泣いた。
そこで彼は彼女の悲しみを見たとき、また再び彼女に秘かに何事かをささやいた。
すると彼女は笑った。
そこで私は彼女に次のように言った。
「アッラーの使徒は彼の妻達のいる中で特にあなただけにささやきました。そして(それを聞いて)あなたは泣きました。」
それからアッラーの使徒が(病気から)立ち直ったとき、私は彼女にアッラーの使徒が何を言ったか尋わました。
すると彼女は「私はアッラーの使徒のことで、彼の秘密を公表しません」と言った。
さてアッラーの使徒が亡くなられたとき私は彼女に次のように言った。
「私はあなたに次のことを尋ねる権利があると考えます。一体アッラーの使徒はあなたに何と言ったのですか?私に教えて欲しい。」
すると彼女「はい、今なら」と言い次のように伝えた。最初に彼が私に秘かにささやいたことについては彼は私にこう伝えたのです。
ジブリールは毎年一回か二回彼とクルアーンを誦んでいました。しかし今年はもう二回誦みました。そこで私(預言者)は死期が近いと思いました。
アッラーを恐れ、耐えなさい。私こそあなたにとって最も素晴しい先人となるでしょう。
それであなたが見たように私は泣きました。それから彼が私の悲しみを見たとき、彼は再び私に秘かに次のことをささやきました。
ファーティマよ、あなたは信者の妻達の長もしくはこのウンマ(信仰共同体)の女性達の長になることを喜ばないのですか?
それで私はあなたが見たように笑いました。(ムスリム)

(上記のハディースは一番最初にファーティマが預言者ー彼と彼の家族に平安と祝福あれーの後に亡くなり、彼と天国で再会するという意味合いで「先導者」と表現されたり、一番最初に天国で出会うなど様々な表現で数多く伝えられています。)

 彼女は幼い頃からずっと父の傍につき従っていただけでなく、ウフドやバドルの戦いでは負傷者の手当てをして回り、水を配るなど戦地でも活躍をしていました。そして、殉教者の為に祈りを捧げ、彼らの墓に詣でることも常としていたそうです。また、貧しい人々に常に施しをし自らの足で彼らのもとに出向くなど、彼女は慈悲深い女性としても知られており、人々の尊敬を集めています。

 ファーティマ(AS)には様々な尊称があります。有名なのが「アル・ザハラー」。「ザハラ」は「花」という意味なのですが、「光り輝く」という意味もあるようで。一番よく耳する名前ではないかと思います。
 次に「バトゥール」これは「純真」という意味があり、イーサー(AS)の母マルヤムにちなんだものです。ファーティマは人生の多くの時間を礼拝やクルアーンの読誦、崇拝行為に捧げてきました。その為、マルヤムの後に続く天国の女性としてこのように表現されています。
(シーア派ですと、「イマーム達の母」とも呼ばれ、その絶大な地位から更に沢山の尊称があるようですがこちらでは一般的なものだけの紹介にしておきますね。)
 
 ファーティマ(AS)は敬虔なだけでなく、忍耐強く慈悲深い女性であり、妻としても夫によく尽し、良き母でもありました。私達は様々な面から沢山のことを彼女から学べるのではないでしょうか。
 彼女と彼女の聖なる子孫に平安がありますように。

 それでは、次回はモーセの養母・アーシヤについてです。


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