最も優れた女性1~史上初の女性信徒・ハディージャ~



 
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アッサラームアレイクム
 今月はイスラームの偉大な女性たちについてです。
 イスラームでは預言者の妻たちを始め、大勢の女性が歴史にその名を残し、尊敬されているのですが、その中でも特に優れた女性たちがいます。

 まずはこちらの伝承から。
アッラーの御使い(SAWS)は言われた
「天国で最も優れた女性たちは、ハディージャ・ビント・フワイリド、ファーティマ・ビント・ムハンマド、アースィヤ・ビント・ムザヒム、マルヤム・ビント・イムラーンである」

「全女性の中で最も優れた人が四人いる。マルヤム・ビント・イムラーン、ハディージャ・ビント・フワイリド、ファーティマ・ビント・ムハンマド、フィルアウンの妻アースィヤ・ビント・ムザヒム」
(『ムスナード』『ティルミディー』)

 ハディージャ(RA)は預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の妻、ファーティマ(AS)はその娘、マリヤム(RA)は預言者イーサー(AS)の母、アースィヤ(RA)はファラオの妻で預言者ムーサー(AS)の養母です。

イスラームではこの四人の女性が全ての女性の中で最も優れた女性とされています。
 
なぜこの四人が最も優れているとされているのでしょうか?

彼女たちに共通しているのはこれ。

揺るぎないアッラーへの信仰
 
 こうやってみると「アッラーへの信仰」って普通じゃん、って思ってしまうのですが、一点の曇りもない確固たる信仰を持つというのは並大抵のことではありません

 この揺るぎない信仰というのは、例えば預言者イブラヒーム(AS)のようにアッラーの命令なら我が子すらも犠牲に捧げることを受け入れたり、例え我が身を火の中に投げ入れられてもアッラーに全てを委ねたり...
 あるいはアイユーブ(AS)のように全ての財産を失い人々は背を向け、自分の妻からも離れられ、また大変な病に苦しんでもその困難に耐えたり、ととにかく並の人間にはそうそう出来ることではないんですね。

 そして、クルアーンでは例え預言者の妻であっても不信心なら地獄行き(ヌーフとルートの妻、クルアーン12:10)になっていますし、ハディースでは地獄の住人の大部分は夫への恩を忘れた女性であるとか、冒頭の伝承以外にも「完成した男は大勢いるが、完成した女は四人しかいない」とも言われており...このことからも女性がそれだけ強固で完全な信仰を持つのは容易ではないということが分かります。
  
次に、彼女たちは全員、母もしくは妻としてもな偉大な女性たちでした。

まずハディージャは預言者の最も優れた妻であり、そしてファーティマの母ですね。
そしてファーティマは四代正統カリフ・アリーの妻であり、ハサンとフサインの母。
アーシヤは預言者ムーサーの養母であり、マルヤムも預言者イーサーの母です。

彼女たちは全員、妻や母として偉大なる預言者やイマーム、その子孫を支えました。
  

 それでは、今日はまずは預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)のハディージャ(RA)にスポットを当てましょう。
 ハディージャ(RA)は預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の一番最初の妻であり、イスラーム史上、初のムスリマ(女性のイスラム教徒)となった方です。そして、コプト教徒のマリヤとの息子イブラーヒームを除く全ての預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の子供たちは彼女から産まれました。
 イスラームがアッラーからもたらされた頃、アラブは多神教の世界で現在私達がそこに向かって祈っているカアバ神殿も偶像だらけでした。そんな中でアッラーはムハンマド(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)に預言者としての役割をお与えになったのですが、 彼女は夫が天使ジブリールから啓示を伝えられ、悪霊に取り付かれたのではと困惑しながら帰ってきた時も夫を励まし、いとこの修道士の許に連れていきます。そこで、いとこは「かつてモーセ(ムーサー)やイエス(イーサー)も同じような経験をした」と語り、夫も預言者に選ばれたことを確信した彼女は、真っ先に夫が伝えるその教えを受け入れイスラム教徒となりました。
 その後、彼女は619年、イスラーム創教後9年程で亡くなりましたが、その間彼女は迫害と数々の困難を預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)と共にし、その間も献身的に夫を支え続けました。
(この619年は叔父のアビー・ターリブも亡くなった年であり「悲しみの年」と呼ばれています。 )
 預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)は彼女の死後もたびたび、亡き妻を思い出しては誉め称え、犠牲を捧げた時には彼女の友人たちにもその一部を届けていたと伝えられています。

 「ある日、神の使徒はハディージャ(亡き妻)のことを思い出されていました。私はそれが嫌で、 彼女は年寄りでこれこれだ、アッラーはもっと良い妻(自分のこと)を御与えになったではありませんか、と言いました。すると預言者(SA)はこう言われました。
 『アッラーは彼女より良い妻を御与えにならなかった。ハディージャは誰も私が預言者だと信じなかったときに信じてくれた。誰もが拒否したときに私の言葉を確かめ、支持してくれた。他の者に失望していたとき、私のために自分の富を費やしてくれた。アッラーは他の妻たちではなくハディージャとの子を御授けになって私を祝福なさった』」


 ハディージャ(RA)は預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の最良の妻、かつ初のムスリマ、そしてイスラームの証人となり、それを支えた方です。
 預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)とイスラーム共同体は創教当時、迫害や多神教徒との戦いなど大変な苦難を経ています。それを支えたハディージャ(RA)の功績は言うまでもありません。
 彼女は天使ジブリールですらサラームの挨拶を送り、天国に金銀の家が用意されているとも吉報を受け取ったとも伝えられています。

 それでは次回はファーティマについてです。マァッサラーマ~

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