宇宙の起源と自然界~クルアーンから垣間見る科学の世界~

(by.European Southern Observatory)


アッサラームアレイクム
 今日は少し科学について、クルアーンの観点からお話ししたいと思います。
 実はクルアーンには法律や預言者の話しの諸々の他にも現代科学に通じる事柄が数多く述べられているんですね。
 クルアーンはご存知の通り1400年前、7世紀に預言者ムハンマド(彼と彼の家族の上に平安と祝福あれ)を通じて啓示されました。このムハンマド(彼と彼の家族の上に平安と祝服あれ)はもともとメッカのいち商人に過ぎず、文盲でした。
 イスラーム社会はもともとは様々な分野において、西洋社会に比べ、高い文明や技術力を持っていたことはよく知られていることなのですが、クルアーンに書かれている世界というのは、1000年以上も前の商人には知りえないであろう、近年になってようやく分ってきたことも含まれており、そのことからも「神の言葉」とされています。


それではその一部をご紹介しましょう。


まずは天、すなわち「宇宙」の始まりです。

われは偉力を持って天を打ち建て、果てない広がりにした。
(クルアーン51:47)

 宇宙は138億年前にビッグバンによって生じ今も拡大し続けている、とされているのは皆さんもご承知だと思います。
 このビッグバン理論が認められようになったのは過去100年以内のことであり、それまでは「宇宙は不変であり始まりも終わりもない」というのが定説でした。

”信仰しない者たちは分らないのか。天と地は,一緒に合わさっていたが,われはそれを分けた
そして水から一切の生きものを創ったのである。かれらはそれでも信仰しないのか。
われはまた,大地に山々を据えてかれら不信心者にとっても大地を揺るぎないものとした。またそこに,往来のための広い道を創った。それでかれらは必ず利するところがあろう。
更にわれは,天を屋根とし守護した。それでもかれらは,これらの印から背き去る。
かれこそは昼と夜,また太陽と月を創造された方である。それらは,軌道に浮んでいる。”
(クルアーン21:30‐33) 

 次に「天と地は・・・」とありますが、現在、宇宙科学では宇宙は過去のある時点において高密度なガス状の物体であったと言われているそうです。
 クルアーンでは41章に「かれはまだ煙であった天に転じられ…」という章句もあり、21章のこの章句ではアッラーは一緒に合わさっていた天地を分けたと述べています。

 調べてみたところ、シカゴ大学のMichael S Turner氏の宇宙論(原題「Origin of the Univers」)でこのような記述がありました(以下、日経サイエンス2009年12月号より抜粋)

”最初の1秒に満たないわずかな間,宇宙は最も基本的な粒子であるクォークとレプトンが混ざり合った無定形の熱いスープだった。その宇宙が拡大して冷えるに つれ,階層的構造が1つずつ発達した。まず中性子と陽子ができ,次に原子核ができ,原子ができ,星ができ,銀河ができ,銀河団ができ,そしてついには超銀河団ができた。宇宙のうち私たちから観測可能な部分には,現在1000億の銀河があり,それぞれが1000億個の星と,おそらく同程度の数の惑星を含んでいる。”

 宇宙は「無定形の熱いスープだった」とありますね。ここから宇宙はかつてクルアーンで煙に例えられる形のない物質だったことが分かります。そして、そこから中性子や陽子、様々な物質ができ、星や銀河ができ、現在観測出来る宇宙の姿になったとあります。
 宇宙の星や惑星は私達が暮らす地球も含めて、もともとは高温のガス状の物質だったもの塵などと混ざり合いながら徐々に冷えて固まり形成されています。
 つまり、もともと宇宙とそこに含まれる様々な天体は一つの煙状の形の物質だったが、そこから宇宙が広がり、またその中から生じた物質から星や惑星や銀河が形成された、ということなのでクルアーンに書かれている通り、宇宙は煙であった天から転じ、一緒に合わさっていたものが分れた、ということが分かります。

 続いて「水から一切の生き物の創った」。原始の地球において最初の生命は海で生まれ全ての生き物の起源は水にあるのは周知の通りですよね。

 次の「大地に山々を据えてかれら不信心者にとっても大地を揺るぎないものとした」ですが、現在地質学においては山はその内部、地下の深い所にまで基底がありそれが地球を安定させる役割があることが判っています。
 山に関してはクルアーンにはこのような章句もあります。
”またかれは,地上に山々を堅固に据えられた。(それは)大地があなたがたを揺り動かさないためである。また川や道を創られた。あなたがたが導かれるためである。”(16:15)

*因みに山に深い基底があるという理論が提唱されたのは19世紀、山が地殻を安定させる役割を果たしていることが分ってきたのは20世紀半ばだそうです。

「かれこそは昼と夜,また太陽と月を創造された方である。それらは,軌道に浮んでいる」。
 私達の住む世界は太陽と月の巡りによって昼と夜があり、全ての惑星は決まった軌道上を動いています。

”またかれらへの印には,夜がある。われがそれから昼を退かせると,見よ,真っ暗になる。
また太陽は,規則正しく運行する。これも全能全知な御方の摂理である。
また月には,天宮を振り分けた。(それを通って)ナツメヤシの老いた葉柄のように(細くなって)戻ってくる。
太陽が月に追い付くことはならず,夜は昼と先を争うことは出来ない。それらは,それぞれの軌道を泳ぐ。”(クルアーン36:37‐40)


 そして、太陽や月は規則正しく空を運行し、月は満ち欠けを繰り返します。これらは決まった軌道を動くので順番が入れ替わることもありません。

 このように、クルアーンには宇宙や生命の起源、山の役割など近年になって分かってきた科学的事実も含まれており、それは私達ムスリムに創造主であるアッラーの存在をはっきりと信じさせているのです。

 いかがでしたでしょうか?今日はその一部でしたが、インシャアッラーまた機会を見つけてクルアーンの科学の世界を覗いていけたらと思います。

 それでは、また。マァサラーマ~。
 

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