イスラーム版お正月?イードとは

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アッサラームアレイクム ワ イード ムバーラク
 皆さんこんにちは。ラマダーンも先日、無事に終わりました。ムスリムの皆さんお疲れ様です。私達の礼拝と善行がアッラーに受け入れられますように。

 今日はラマダーン明けのお祭り「イード・ル・フィトル」について。
 イスラームにはふたつの「イード」と呼ばれるお祭りがあります。一つはラマダーン明けの「イードル・フィトル」もう一つは巡礼月(ズール・ヒッジャ、イスラーム暦12番目の月)に行われる「イードル・アドハー」。
 前者は小イード、後者は大イードと呼ばれているのですが、今回は小イードである「イードル・フィトル」について少しお話しをしたいと思います。

 「イードル・フィトル」とは先ほども書いた通り、ラマダーンの断食明けを祝うお祭りです。この日はラマダーンの開始と同じく、10番目の月であるシャッワール月の新月の確認により確定されます。
(新月が確認されればその翌日、されなければ翌々日がイードになります)

 この日は皆が新しい服を着て朝からモスクに集い、イードの特別礼拝を行います。そしてその後は家族や親戚、友人を訪ねて一緒に団欒したり、子供達はお小遣いやお菓子をもらったりと祝祭ムード一色になるのですが...


これ、何かに似ていると思いませんか?


そう、日本のお正月です。


 今ではやや廃れつつありますが、昔はお正月と言えば下着から何から新調して綺麗な着物を着てお祝いをするものでした。そして家族、親戚でお節を食べ子供たちはお年玉を貰い、初詣に行き...というのがお正月のイメージだと思うのですが、イスラームではこのイードが私達日本人にとってのお正月のような状態になるんですね。

 日本では当然、イスラーム圏のようにイードは休みにはなりませんし、モスクも各地に点在しているのでなかなか他国のようにモスクに行って祝祭モードの中、礼拝して...というわけにはいかないのですが、イードといえばやはりお祝い!お祭り!なので嬉しいことには変わりはないのです。
(因みに我が家は運良く希望休通りにイードになりましたが、台風の影響で家に籠りきりで寝正月?状態でした^^;)


~義務の喜捨、ザカートル・フィトル~
 ところで、私達ムスリムは毎年ラマダーン月に義務の断食を行いますが、ラマダーン明けのイードにも「ザカート」と呼ばれる義務の支払いがあります。
 これは一年間の貯蓄や所有財産の余剰分以上のもの(金87.48gまたは銀612.36gの時価の低い方の額。計算すると大体40万強ぐらい。)に課せられます。(ですので最低余剰ラインに達しないものには支払の義務は生じません。この余剰ラインも金や銀、家畜の数など細かく定められています。)
 ザカートでは(法学により細かな違いはありますが)財産の2.5%、もしくは定められた量の食料を困窮者や貧者、ジハードに赴く者、旅人等に支払います。(ザカートを受け取る権利を持つ者は8種類に分類されます)
 また、シーア派ではホムスと呼ばれる制度があり、こちらは預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の一族(現在ならその子孫)に収入の純益から5分の1を支払います。(例えば貯蓄が100万あれは20万を支払う)
 預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の一族はザカートやサダカを受け取ることが出来ませんので、彼らの生活はこのホムスによって成されていました。
(現在はこのホムスは宗教権威者によって徴収され、宗教活動や学校・病院の建設など社会福祉に活用されています。)

*スンナ派ではこのホムスは戦争で得たもの=戦利品の中から、と解釈されています。

 ムスリムには義務であるザカートの他にも「サダカ」といって普段からも善行や喜捨をすることが奨められています。イスラームでは(相対的に)強い者が弱い者を助けるのは義務であり、富をむやみにため込むことを禁じていますので、このようなザカートやサダカによる徴収は富を再分配し社会や貧しい人々に還元する仕組みでもあるのです。


それでは今日はこの辺で...
大イードについてはまたの機会にお話ししますねインシャアッラー

来週はインシャアッラー「ヒジャーブ講座」です。

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