ひと月の断食!?ラマダーンって何?
ひと月の断食を行うのはムスリムの義務の一つ
であり、
イスラム暦は純粋な太陰歴
なので毎年11日ずつほど繰り上がります。
このラマダーンの話しになると、
「えーー!一カ月も!?」
「いや、無理っす...」
「倒れちゃうってーーー(汗)」
「水も駄目なの!?」
「そんなん、ようしいひんわ~」
などなど...毎年色々な人に驚愕されて引かれるのですが...
(いや、ほんと毎年同じように聞かれて同じようにドン引きされるんですよ)
私達ムスリムが飲食を絶つのは日中、
ファジュル(暁の時間)からマグリブ(日没)までの時間で、
マグリブの時間が来ると断食を水やナツメヤシで解除して
イフタールと呼ばれる断食明けの食事を摂ります。
このイフタールの時間はシーア派ではクルアーンに
「斎戒を夜までまっとうせよ」とあり、
マグリブ(日没)の時間も
完全に日が落ちて空が暗くなるまで、
と解釈されている為、スンナ派よりも20分ほど遅くなります。
(スンナ派は日が沈めばマグリブなのでまだ空は明るいうちからイフタールが始まります)
断食開始前の食事はサフールと呼ばれ、
ここで蛋白質や水分の多い食事を摂り一日のサウム(断食)に備えます。
こちらもスンナ派とシーア派ではファジュルの時間が違う為、 多少ズレます。
(シーア派の方が10分ほどファジュルが遅くなります)
予定日は二日
ラマダーンは毎年11日ずつほど繰り下がると先ほどお話ししました。
ですので、開始の予定日は毎年変わるのですが、
イスラム歴は月の満ち欠けを元にした太陰暦を用いています。
その為、予定日もズレが生じる為、「○日または△日」と二日間に及びます。
それはラマダーン月の始まりは
新月を肉眼で確認することによって確定するからです。
ですので、曇りや雨などで新月の確認が出来なければ
翌日に繰り越されてラマダーンがスタートします。
その為、同じ地域でも一日ずれることも珍しくなく、
同じ国に住んでいても自分のところは昨日からだけど、
○○の親戚のところは今日から、みたいなことも起こります。
(日本は非イスラーム国なので一番近いイスラーム国家の
マレーシアを基準に、あちらでの新月の情報を元にラマダーンの始まりが決まります。)
また、シーア派は大体スンナ派よりも一日遅れることが多いようです。
“信仰する者よ,あなたがた以前の者に定められたようにあなたがたに斎戒が定められた。恐らくあなたがたは主を畏れるであろう。”(クルアーン2:183)
ラマダーンは「断食月」とよく訳されているのですが、
正確には「斎戒」の方がより近く(断食はアラビア語ではサウムと言います)
この月は飲食を絶つだけなく性行為その他諸々の欲望を抑え、
いつも以上に罪となる悪い行いから離れて善い行いをする、
など精神修養的な意味合いもあります。
だからただ飲食を絶てば良い、というわけではないのです。
それでは今年も頑張りましょう。
マァサラーマ~
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