イスラームにおけるメシヤ、マフディーとは何者?



アッサラームアレイクム
今日はイスラームにおけるメシヤ(救世主)のお話です。

メシヤ?

メシヤってキリスト教の話しじゃないの?

と思った方、いらっしゃると思います。

実は救世主の存在というのは、終末論と共にイスラームにもありまして...

マフディーは最後の審判とイーサー(イエス)の再臨の前、
世界が悪に満ちた時に現れ、この世を正義で満たす

と伝えられているんですね。

その後、世界はマフディーが治める恵みに満ちた期間に入り、
最後はアッラーの送る冷たい風によって信仰を持つ者は死に絶え、
ゴグとマゴグと呼ばれる巨人、大地からの獣、西から昇る太陽、
大きな地滑り、火事などなど様々な終末の印を経た後、
この世の終末と最後の審判の日を迎える...というものです。

マフディーの存在についてはたま~に認めない人もいるのですが...
マフディーは預言者自身ー彼と彼の家族に平安と祝福あれーによって
伝えられていることであり、 

スンナ、シーアともに信じられている教義です。

ただ、マフディーは誰か?という解釈で両者に違いがあります。
(それについては後述。)

*因みにイエスはイスラームではイーサー(彼に平安あれ)と呼ばれ、
ムハンマド(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)と共に最も偉大な
預言者の一人としてムスリムに崇敬されています。

クルアーンでは終末と審判の日、
イエスの再臨については語られているのですが、
救世主であるマフディーに関しては 

実はコーランには記述がありません

ですが、預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の言葉を通じて、
サヒーフ、スナンなどで真正なハディースが残されています。

ここでその一部を紹介しましょう。

・神の使徒(S)が言った。 
「私たちはアッラーが現世の後のために御選びになったアフルル・バイトである。私が去った後、黒旗を掲げた集団が東(マシュリク)からやって来るまで、私のアフルル・バイトは地上で 困難と弾圧に直面するだろう。彼らの権利要求は拒否されるが、彼らは戦い、やがて勝利を得よう。
彼らは要求したもの(統治の権利)を与えられるが、抑圧の蔓延する地上を正義に変えるであろう。アフルル・バイトからの一人の男にそれを与えるまでは受け入れない」

神の使徒(彼と彼の子孫の上にアッラーの平安と祝福あれ)は言われた。
 「マフディーは我がアフルル・バイトの中から現れる。マフディーはファーティマの子孫の一人である」
・「マフディーは短くて七年、長くて九年間、我がウンマを統治する。その間、ウンマは前例がないほどの深い恵みの中で聞いたことのない果実を与えられて生きるだろう。幸福に包まれた日々が続く ある者が『おお、マフディーよ、私に与えてください』と言えば、彼は『受け取れ』と言うだろう」

(スナン・イブン・マージャ

 ・神の使徒(S)は言った。「我がアフルル・バイトからの一人で私と同じ名の男が確かにこの世界を統治するであろう。現世の最後の日が訪れたとき、アッラーは彼がそうするまでその日を延ばされよう」
サヒーフ・アル=ティルミディー


それでは、このマフディーとは誰か?

ですが、先述の通り 

スンナ派とシーア派では解釈に違いがあります。

まずはスンナ派

スンナ派ではマフディーは預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)と

同じ名を持つ彼の子孫で、これから生まれる人間である、
とされています。

(聞いたところによると偽メシヤであるダッジャールについては
既にムーサー(モーゼ)ー彼に平安あれーの時代に生まれており、
今も姿を隠したまま生きている、という説もあるようです。
名前「セミリ」であろうと言われています

次にシーア派。

マフディーが預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)の
子孫であるという認識は共通です。

ですが、シーアではそのマフディーは既に9世紀にお生まれになった
彼の直系の子孫である
12代イマームのムハンマド・ムンタザル 
(ムハンマド・イブン・ハサンー彼に平安あれー)であり、

彼はアッラーによってイーサー(彼に平安あれ)の再臨の時まで
姿を隠され(シーアでは「ガイバ(御隠れ)」と言います)、
そして再び戻って来ると考えられています。

つまり 
これから生まれるか、既に生まれて
隠れているかの違いですね。


*この「イマームの再臨」というのも 
基本的にはシーア独特の考えなので、
(スンナ派でもごく一部では語られているようすが一般的ではありません)
れについても色々と言われるところではあるのですが...
イスラームでは大昔は人間が何百年、何千年と生きたり、
生きたまま天に上げられたり(姿を隠す)
300年以上洞窟で眠っていたり
いった話しもあるで、まあそういうことがあっても不思議ではないんだろうな~
というのが私の(個人的)考えです。

これから生まれようが、既に生まれていようが
マフディーが預言者(彼と彼の家族に平安あれ)の子孫で
イーサー(彼に平安あれ)と共に現れる救世主であることには変わりはないので...。

私達ムスリムにとって大切なのは、アッラーがコーランと
預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)を通じてお伝えになった、 
この世の終わりについてきちんと学んで義務を守り、
善行を積み、その大小の兆候
(一部は既に始まっています)に注意して備えること、
ダッジャールに騙されないように
信仰と真実を見る目を培うことあり、
マフディーの解釈争いではないと思うのです。


それでは、今日はこの辺で。
今回はマフディーについてスポットを当てましたが
 イスラームにおける終末論についてもまた機会を設けて
お話しをしていけたらと思います。インシャアッラー

ではマァサラッマ~

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