イスラームにおける「結婚」と「女性の権利」

アッサラームアレイクム
今回は夫婦の権利についてです。


扶養の権利

イスラームにおける結婚は男女間の合意と契約によるものであり、
両者にはそれぞれ夫として、妻としての義務と権利が生じます。

妻にはまずマハル(婚資金)が贈り物として与えられます

また、結婚をすると扶養義務は夫にあるので、
  
生活費を負担する必要はありません。

貴女がどれだけ高給取りでも大金持ちでも、です。

イスラームでは生活費の負担と財政管理は男性の責務とされています。

ですので妻は夫の経済力の範囲内なら何でも夫に請求ができますし、
夫は財力に合わせて適切な形で妻に与えることが求められます。
(合意の上で妻も生活費を負担するのはOKです。)


この適切な形、というのは

「外で働いて生活費を稼いでいる俺の方が偉い!」とか

「食わせてやっている」 と妻を下に置いたり、卑下させたり。

ではなく、

また独身のように自分だけが外食や買い物と自由にお金を使って楽しむのでもなく、

妻にも(子がいれば子にも)同じように食べさせ、
同じように着せ、一家の長としてその責任を果たす

ということです。


また財力があるにも関わらず出し惜しみをして家族に充分な生活をさせない。
あるいは、裕福ではないのに分不相応な浪費で生活を困窮させることも許されません。


”経済的余裕のある者は、その経済的余裕の中から出費させ、糧が欠乏している者には、アッラーが彼に授けられたものの内から出費させよ。”(クルアーン65:7)



「男尊女卑」で、ふと思う。

以前、別記事の感想で、

「男性のみに扶養義務があるという時点で男尊女卑に感じる」

というものがあり、

「なるほど~」と思いました。

これはこの

「男性のみ」

というのがポイントなんですね。

現代は女性はひと昔、ふた昔前よりは社会に進出しているし、自立もしています。
だから人によっては経済力もあるし、
男性だって家事はもちろん育児も実質「出産」以外は出来ます。

なので、ジェンダーフリーの観点から考えると

女性だけが一方的に養われる存在にされるのは、
男女を同等に見ていない 

とも言えます。

これはレディースデーなどに見られる、プラスの差別と呼ばれるものなのですが、

女性も男性と同じように稼げるし、扶養する能力もあると考えた場合。
女性の負担を軽くするのは根底では

「女性は男性ほど稼げないから(=それだけの能力がない)」

と十把一絡げにしており差別である、とも解釈が出来ます。
だから見方によっては(男女の特性や向き不向きなんかを一旦横に置くと)
「男尊女卑」というのもあながち間違いではないんですね。

イスラームでの女性の捉え方

イスラームでは女性も働いても良いけれど、生まれ持った本分としては

家庭内の責任者として子育てや家のことをするのが望ましい。

よって、基本的には家に居て

仕事も男性のように多く負担を担うべきでない。

という考えがあります。


なぜか?


それは女性を守る為。



ただでさえ妻は家庭内の負担を担っていて日々忙しく過ごしています。
そこに更に「仕事」や家族の扶養といった男性並みの社会的責任や
負担を負わせるのはよろしくない、ということなんですね。

女性は一般的に男性よりも体力も少なく、か弱く繊細な生き物です。
なので、そのような女性に負担を強いるよりも、
男性のもとで守られている方が安らかに過ごせるから、とのことのようです。

 ...と言っても、個人的には女性の方が痛みにも強いし忍耐強くて根性もあるように思いますが(ボソッ)


女性が外で働くと...
例えば子供がいた場合、彼女は家事育児仕事
3重に負担を担うことになります。
条件によっては夫の協力が得られず、圧倒的に女性の方が多くの負担が大きくなりがちです。

これ、共働き家庭でありがちな悩みですよね。


仕事も夫と同じようにフルタイムで働いているのに!

パートとは言え、自分も外で働いているのに!!

夫は何もしないor出来ない(激務や単身赴任など)から家のことも自分…
どう考えても女性の方が大変になってしまいます。

正直、私も...
幸い、夫は子供の面倒もよく見るし家事も一通り出来る人ですが、
それでも食事の後片付けに翌日の準備に洗濯にetc...と忙しくしている時に
自分はゆっくりゴロゴロ、テレビなんか見ているとイラッとなるときがしばしば...。
協力的な人でもこんなんなので協力がなければどれだけ
大変かは言うまでもないですよね。

母と子の関係性

それだけではなく!

イスラームでは、子供は母親が自分の手で養育することが強く推奨されています。
でうので、女性が外で働くと、母親と子供を引き離すことになってしまいます。

また、場合によっては

女性の生まれ持った役割と母親としての尊厳、
子供の親に対する権利などを害する危険性も

(私は単純に働き続けたいので、アルハムドゥリラー夫の理解もあり働いていますが...
子どもにはいつも長いこと保育園で頑張ってもらって悪いな~とは思っています。)

ですので、男性だけに扶養義務を課すことは

女性を下に見る

とか、

夫の従属物にする

とか。

そういうことではなく、

男性と女性のそれぞれの生まれ持った
特質に従って過剰に重荷を負わせない為

なんですね。

ですから、

度を越さなければ、女性だって働いて自分の能力を生かしても良い。

家で家事と育児に専念したければ、専念しても良い。

それこそ夫の経済力さえ許すなら、お手伝いや乳母を雇って外に
学びに出ても(笑)

このように様々な選択肢として「自由」も与えられている

これがイスラームなんですね。

あ、因みに妻が自分の財産を生活費の負担に充てたり、
外で働いて夫の生活費の負担を助ける場合はそれはサダカ=喜捨として見なされ
善行になります☆

それでは今日はこの辺で。マァサッラーマ~

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