なぜ断食?聖なる斎戒月・ラマダーン

アッサラームアレイコム
今年もいよいよやってきました。
一大イベント、ラマダーンの始まりです。

ラマダーンって何?はこちら!
「ひと月の断食!?ラマダーンって何?」

今回のお題は

なぜムスリムは一か月も断食をするのか?

です。

ラマダーンの話題になるとよく聞かれるのですが

夏場となれば十数時間にも及ぶ断食、
1日でも大変なのになぜムスリムは一か月も、
時には嬉々として、続けることが出来るのでしょうか?

それは...

ただただ、アッラーを畏れ、服従する為です。
ラマダーンの断食にはそれを通して飢えを疑似体験することで 
貧しい人々への慈悲の心を養ったり
信仰や同胞愛を高めたり、己を律して罪から遠ざかる 

など宗教的、修養的目的の他、
医学的にもメリット(腸内の悪玉菌を働きを抑える、
血液中の中性脂肪を減らす)などもあるのですが、

第一はまずアッラーから命じられた通り、
服従し崇拝する為に行います。

この断食は成人した健康なムスリムは全員行わなければなりません。
ただし病人や身体の弱い高齢者などは免除され、
女性は月経や妊娠・授乳中の期間は後回しに することが出来ます。
また旅人もその期間は免除され、後から埋め合わせで行うことが出来ます。

“ラマダーンの月こそは,人類の導きとして,また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーンが下された月である。それであなたがたの中,この月(家に)いる 者は,この月中,斎戒しなければならない。病気にかかっている者,または旅路にある者は,後の日に,同じ日数を(斎戒する)。アッラーはあなたがたに易き を求め,困難を求めない。これはあなたがたが定められた期間を全うして,導きに対し,アッラーを讃えるためで,恐らくあなたがたは感謝するであろう。”(2:185)
また、このラマダーン月は

初めてクルアーンの啓示が下った聖なる月 

でもあり、啓示された日は

「ライラトル・カドル(みいつの夜)」と呼ばれます。

”本当にわれは,みいつの夜に,この(クルアーン)を下した。みいつの夜が何であるかを,あなたに理解させるものは何か。
みいつの夜は,千月よりも優る。
(その夜)天使たちと聖霊は,主の許しのもとに,凡ての神命をもたらして下る。  暁の明けるまで,(それは)平安である。”(クルアーン97章)

ライラトル・カドルって?

ライラトル・カドルとはラマダーン月

最後の十日間のうちの奇数日のどれか 

とされており、

預言者(彼と彼の家族に平安と祝福あれ)がヒラ―の洞窟で
瞑想をしている最中に天使ジブリール(ガブリエル)を通じて

「よめ!」

とクルアーンの節が下された日です。
読め、「創造主(つくりぬし)なる主の御名において。
いとも小さき凝血から、人間を創りたもうた」と。(クルアーン96 アル・アラク章)
その奇数日がいつなのかは明らかにはされておらず、シーアでは23日、
スンナでは27日という説が最有力とされています。

”イバーダー・ビン・ア=ッ=サーミトゥによるとアッラーのみ使い(SAW)はこう言われました。 カドルの夜はラマダーンの最後の10日のうちにあり、報償を求めて、その間礼拝に立つ者は、アッラーが彼の過去の罪、その後の罪も許し給うであろう。それは奇数の夜であり、ラマダーン月の9、7、5、3、もしくは最後の夜である。」”(アハマド、サヒーフ・ムスリム)

ライラトル・カドルとは千の月(約83年分)よりも優れ、
天使たちが舞い降りる日なので
この日は特に崇拝行為をや善行を行うことが推奨されています。
その為、ムスリ ム達は最後の10日間は特に頑張って、
モスクに籠ったり(主にスンナ派)夜間の任意の礼拝などに励みます。


”カドルの夜、信仰を持ち、アッラーからの報償を期待して礼拝に立つ者は、彼の過去の罪が許されるであろう。”(サヒーフ・ムスリム)

それでは、今年も恵み溢れる月になりますように。
マァサッラーマ

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