ドルーズ派~クルアーンを棄てた少数派~

(ドルーズ派の5色星・wikipediaより

アッサラームアレイコム
今日はイスラム超少数派のドルーズ派についてのお話しです。

 

ドルーズ派?


一般的にはシーア派の分派であるイスマイール派から
更に分かれたイスラーム少数派の宗派として紹介されることが多いですが、

実際には宗派というよりは

もはや別の宗教

とも言える独特のグループ

と言った方が良さそうです。

ドルーズ派の起源

時は遡ること11世紀初頭...

北アフリカは現在のチュニジアの地に

「ファーティマ朝」


 と呼ばれる王朝が生まれました。
 その後、この王朝でハーキムと呼ばれるカリフが登場します。

 ドルーズ派はこのハーキムを

神の権化として神格化した宗派です。

ドルーズの名は成立初期に活躍した宣教家ダラズィーの名に由来すると言われ、
現在はレバノン、シリア、イスラエル国内などにコミュニティがあります。

ハーキムって何者?

奇人、狂人として知られるカリフ

厳しい禁令や異教徒や
他宗派の弾圧など冷酷な一面を持つ一方
学芸の保護も積極的に

奇行が多く毎晩のようにロバに乗って徘徊をしていた...

と伝えられており、

西暦1021年、

供を連れずに夜に散歩に出たまま彼は忽然と蒸発しました。

その後、短剣と彼の血のついた衣服が砂漠で見つかりましたが
遺体は見つからなかった、とか。

このことから

「ハーキムは死んだのではなく幽玄界に
御隠れになったのだ!!!」

という主張が生まれます。


このハーキムのガイバ説を唱える一派

イスマイール派が排斥、分離され

ドルーズ派となったんですね。

ドルーズ派教義

大きな特徴として...

クルアーンの破棄


彼らは全6冊からなる『ヒクマット・シャリーファ(崇高なる叡智)』
呼ばれる独自の経典を持ち、ドルーズ派信徒内でも

一部の限られた層の者しか読むことが許されない

とされています。
(つまり、その層に属する者以外は信徒であるにも関わらず
自らの経典を読むことが出来ない)
↑ただ最近はインターネットで公開し始めている、という噂も...

この経典には前述のハーキムや指導者の書簡などが集められています。
 
なんだかこの時点で異端臭がもの凄いですが...(汗)

これには前述のイスマイール派の影響が。


では、なぜドルーズ派がクルアーンを棄て去ったのか?


は、また次回お話ししますね。

それでは、マァサッラーマ~

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