合気道は本当に女性向きなのか?Sawaの合気道考察
こんにちは、Sawaです。
ここのところ続いている合気道ネタ、
今日は女性の立場から果たして合気道は本当に女性向きなのか?
非力な女性にもやりやすいのか?
を考えていきたいと思います。
実は私も始めた頃は
「合気道って何?」
レベルで勧められるままに見学に行って、
「あ、なんか面白い♪」
とそのまま入門したクチで、
護身だのなんだのなんて考えたことがなかったんですね。
というのは、そもそもの私が合気道を始めたきっかけ、
というのが『名探偵コナン』なんです。
それも本当は蘭ちゃんに憧れて空手をやりたかった、
というのがそもそもの始まり。
そして怪我の心配をした母が、
「合気道なら女の子でもやりやすいみたいだから」
とすすめてきたのが私の合気道との出会いです。
あれから10余年...
細々ながらも続けて黒帯を頂くまでにはなりましたが、
本当に「合気道なら女子にもやりやすい」のでしょうか?
~合気道に力は要らない?~
合気道をしていると、よく聞かれる誘い文句があります。それが
「力は要らないですよ~^^」
「少ない力で倒せるので女性や子供、高齢でもやりやすいですよ」
「女性にもやりやすいので護身術に良いですよ」
といった言葉。
実はこの「力が要らない」というのが曲者なんですね。
そして、合気道に力は要らないのか?というと、
んな訳ない。
確かに合気道はテコの原理の利用や、相手の攻撃の力を受け流して
上手く利用しながら投げる武道です。
なので、腕力で投げるといった意味では「力」は要りませんし、
技によっては男性との体格差・身長差が却って有効に作用するものもあります。
ですが、これはあくまで「腕力を使わない」という意味。
合気道も元々は生死を分かつ「武術」ですので、
力のない人が力持ちに勝てる、とか筋肉が少ない非力な人でも
屈強な大男をホイホイ投げれますよ、という意味では当然ないわけです。
つまり「非力でもオッケー♪」ということではない。
そもそも筋力がなければ腰を落とした低い姿勢を保てないし、
武器もまともに扱えません。
(武器は適度に手首や腕、体幹が鍛えられていないとブレブレだし、
体術もずっと低い重心ですり足で動き回るので、ちょっとの間やらないだけでも、
かなり太ももにくるんですよ・・・)
合気道の先生方の中には小柄な方や線の細い方も沢山いらっしゃいます。
でも、そのような先生方でも自分よりも体格が良く、
力もある若者をヒョイヒョイと投げられるのは、若い頃から
足腰が徹底的に鍛えられているからなんですね。
例えば、合気道創始者である植芝盛平翁の直弟子だった故・塩田剛三先生。
この方も小柄な人なんですが、大男を何人も相手に涼しい顔で倒したり、
合気道の有効性を疑ったケネディ大統領のSPを組み伏せたりと
テレビを賑わせていたそうなのですが、塩田先生も若い頃から
筋力トレーニングやら何やらをして身体を鍛えていたそうで。
合気道開祖の言葉に
「合気道は米糠3合の力があれば良い」
というものがあります。
米糠ってサラサラですぐに風で舞ってしまうし、とても軽いですよね。
合気道はそんな軽い米糠3合分の力もあれば良い、ということなんですが...
実はこの翁先生、着物の上からでも分かるぐらい
筋肉ムキムキで怪力として知られていた方なんですね。
でも合気道の技をかける時は「米糠3合」なんです。
つまり合気道の「力は要らない」は
例え筋肉隆々の力持ちであったとしても、いかに余計な腕力を使わずに
米糠程度の軽い力で相手を制するのか、が問われる武道であり、
腕力ではなくいかに最小限の力を最大限に有効活用するか、
体幹からの力を使うか、が大切な要素となっているわけです。
~由美かおるは強いのか?~
なぜ、ここで由美かおる?と思った方、恐らくいらっしゃるでしょう。
実は女優の由美かおるさんは合気道の高位有段者として知られており
中国武術なども学ばれているそうで。
では、その由美かおるがボブサップのような筋肉ムキムキな大男を倒せるか?と
考えたらいかがでしょうか。
(基本試合はないし、他所と手合わせなどもするべきではないので、
あくまで誰かに襲われてそれが大男だったら・・・という仮定で考えてください。)
すみませんが、私は仮に倒せたとしても相当苦戦する思います...。
(いや、彼女の”実力”はもちろん確かなんですよ)
だって女性である以上、身体の作りが違う以上、どれだけ身体を
鍛えぬいたところで限界があるし、男性の鍛え抜かれた身体、
体格差には適いませんもの。
私もバリバリ毎日のように稽古していた頃は、若かった分トレーニングなど
しなくても腹筋も割れていました。
筋肉も多かったので身長の割に体重も重く引き締まっていました。
それでも...
素人でも男の子に本気で腕力で来られたらやっぱり結構厳しい・・・
というのが実際のところで。
(だからこそスピードであるとか、間合いであるとか、崩し方であるとか
他の部分でカバーをする必要があるのですが)
だから、女性が合気道である程度の力をつけようと思ったら
やっぱり多少は身体を鍛える必要があるし(これは非力な男性も同様)、
安易に「力は要らないから♪」と勘違いしては良くないと思うんですね。
もちろん、道場の中ならある程度「お約束」が成り立つのでそれでも大丈夫です。
でも実際に「使える武道」日常生活でも「使える身体」にしようと思ったら
やはりある程度の筋力やそれを鍛えることも必要、女性なら猶更、が私の意見です。
結論:「合気道には力が要らない」なんてない
ですので、合気道やろうかしら~♪なんて思っている人は身体もしっかり鍛えてくださいね。
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